mML第140号

【修得の難易度】★☆〜★★☆最短距離でクライマックスに到達する異色の『超高速カップ&ボール』を学ぶ!

今月号では、「最短距離でクライマックスに到達する異色の『超高速カップ&ボール』を学ぶ!」と題しまして、計4手順をご紹介いたします。

 カップ&ボールは、クロースアップマジシャンにとっては必修科目されるほどの特別なマジックであり、当monthly Magic Lesson でも幾度となく取り上げている題材です。今回は、その中でも大変に興味深い、異色中の異色作をご紹介しております。「世界最速」との異名を取る「フラッシュカップ」。特徴的な点は、その速さ、手順の短さです。 カップ3個、ボール3個を使い、最終的に3つ全てのカップから大ボールが現れるという本格的な構成ながら、その過程において合理的に最短のルートを縫うように走る独特の疾走感があります。 スピーディーにしてダイナミック、そしてパワフル。ローディングのミスディレクションや身体操作といった、広義のラッピング関連スキルを体得できる、練習しがいのある手順でもありますので、ぜひご研究いただきたいと思います。

 カードマジックも負けてはいません。往年の名手、サイ・エンドフィールドの名作「誰にも負けない賭博師」は、フォーオブアカインドをコントロールしカットして取り出してみせる、というテクニカルなギャンブリングデモンストレーションを核に、ドラマチックでマジカルなクライマックスを掛け合わせた作品です。 別名エンドフィールド・カットとも呼ばれる、縦方向のスリップカットが大活躍する点も注目です。

 コロンビーニの秀逸なアイデアをさらに発展させて、シャッフルドデックから好みのフォーオブアカインドを取り出せるように構成した「即興ダークドライバー」は、極めて実践的です。また、エルムズレイの「ポイント・オブ・デパーチャー」に対する原案者自身のバリエーションである「エコノミークラス・デパーチャー」も、クラシックの風格漂う大傑作です。 今回のカードマジック3点は、いずれもセットなしのレギュラーデックで演じられるのがうれしいところです。

 恒例「ワークショップ」「実践派のためのクイックマジック」のコーナーもぜひお楽しみに!

特集:世界最速のカップ&ボール!

フラッシュカップ(Barry Nelson)
3 個のカップを伏せて並べ、それぞれに1 個ずつボールを入れると、一瞬で中央に集まってしまいます。その後、1 個のボールがカップの底を次々と貫通して移動し、最後に、3 つのカップからそれぞれ1 個ずつ、大きなボールが現れます。

特集:出発点はエルムズレイ!

即席ダークドライバー(Aldo Colombini/ゆうきとも
エース4枚、キング4枚を示したら、デックに混ぜてシャッフルします。マジシャンはデックをカットして、キングを1枚ずつ取り出していきます。ところが4枚目ではエースが現れ、失敗かと思いきや、それまでの3枚を見ると、すべてエースに変わっています!4枚のキングは、4つに分けられた山の一番上から現れます。
エコノミークラス・デパーチャー(Alex Elmsleyゆうきとも
2枚の赤のクイーンを置いておきます。デックを表向きにシャッフルして、観客にストップと言ってもらいます。その場所のカードを覚えてもらい、裏向きにして抜き出したら、2枚の赤のクイーンの間にしっかりと挟み込みます。おまじないをかけると、選ばれたカードは煙のように消え去ってしまい、2枚のクイーンだけが残ります!消えたカードは、裏向きデックの中央に表向きになって現れます。
誰にも負けない賭博師(Cy Endfieldゆうきとも
デックから適当に抜き出したカードの中から、2人の観客が全く自由に1枚ずつ選びます。そして、残りのカードをシャッフルしていき、3人目の観客に好きな場所でストップをかけてもらい、2つの山に分けます。選ばれた2枚と、2つの山のトップカードを見ると、すべて同じ数字のカードになっているのです!

特集:ワークショップ

フェイスアップ・オイル&ウォーター(mML第6号より)

特集:実践派のためのクイックマジック

シャッフリング・オープナー

この号で収録されている技法・用語

ブーレット・カット、エンドフィールド・カット

Barry Nelson、Aldo Colombini、Alex ElmsleyCy Endfield


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Last-modified: 2017-06-22 (木) 23:34:13 (2492d)