mML第115号 †
【修得の難易度】★☆〜★★☆マーキュリーカード・フォールドを使った『サインカード・トゥ・ボックス』を学ぶ!
今月号では、「マーキュリーカード・フォールドを使った『サインカード・トゥ・ボックス』を学ぶ!」と題しまして、計5手順をご紹介いたします。
サインカードがありえない場所から現れるマジックは大変人気の高いものです。このジャンルの名作は数あれど、今回ご紹介する「サインカード・トゥ・ボックス」は、最初から目の前に置かれていた缶の中に、サインカードが四つ折りになって飛び込んでしまうというものです。強烈な不可能設定を、合理的な手法で解決した名作中の名作です。じっくりとご研究ください。また、それに付随して「マーキュリーカード・フォールド」という技法も取り上げております。カードを折り曲げてしまうマジックに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ一度は試してみてください。効果のほどは、保証いたします。
加えて、4枚のクイーンが活躍するカードマジックを3種類ご紹介いたしました。スピーディーなオープナーである「F・Fプロダクション」、2枚のカードの入れ替わりから、最後は意外な展開となる「トリプルクロス」、そしてツイスト現象からカード当てへとスムーズに繋がる「荒川のホフジンザー」。いずれも挑戦しがいのある個性的な作品群です。続けて演じることも可能なように構成してあります。
さらに「プレスト・チェンジォ」という古典名作コインマジックを、複合型の手順として演じられるようにアレンジした作品も収録しております。
トークレクチャーのコーナーでは、今回収録されたライブ演技に関して、何をどのように考えて構成したかを語っております。より具体的に、より実践に即して説明された内容は、参考になることと思います。
特集:カード・トゥ・インポッシブル・ロケーション! †
- サインカード・トゥ・ボックス(Bruno Henning)
- 観客は1枚のカードを選び、表にサインします。それをデックに戻します。
そして、指先の感覚だけでカードの場所を探し出すと言ってデックをしばらく背中に回します。
その後、テーブルにずっと置いてあった缶のフタを開けてもらうと、中に折りたたまれたカードが1枚入っています。
それを開いてもらうと、なんとそれが間違いなく観客のサインカードなのです!
特集:にぎやかな4枚のクイーン! †
- トリプルクロス(Brother John Hamman)
- 観客に赤と黒のカードを1枚ずつ選んでもらいます。
それを、対応する色のクイーン2枚でそれぞれ挟んでテーブルの左右に置きます。
おまじないをかけると、なぜか観客のカードは入れ替わってしまいます!
もう一度行うと、やはり入れ替わってしまいますが、3回目には、一方の山が4 枚のクイーン、もう一方の山には観客のカード2 枚という形で入れ替わってしまいます!
- F・Fプロダクション(Steve Freeman/ゆうきとも)
- マジシャンは、適当に分けて現れたカードをターゲットの数字と決めたうえで、デックを2つに分けると、同じ数字のカードがもう1枚現れます!
さらに、その2 つの山を噛み合わせ、勢いよく両手で引き離すと、残りの2 枚もそれぞれの山から突き出した状態で現れます!
- 荒川のホフジンザー(ゆうきとも)
- 4枚のクイーンのうち1枚を表向きにすると他の3枚も表向きになってしまいます。
この現象が繰り返されます。
マジシャンは、このパワーを使ってカードを当てると言って、観客に1枚のカードを選んで覚えてもらい、デックに戻します。
4枚のクイーンを広げると1枚だけ裏返っていて、それが選ばれたカードのマークと一致しています。
さらに、マジシャンは観客のカードを言い当てた上、裏返ったクイーンを観客のカードそのものに変化させてしまうのです!
特集:視覚と音の相乗効果! †
- プレスト・チェンジォ(Thomas H. Bearden/ゆうきとも)
- あらためたハンカチの中から、銀貨が2枚、次々と現れます。
その2枚の銀貨をハンカチの中に包み込むように握ると、一瞬で2枚とも銅貨に変化してしまいます。
もう一度繰り返すと、再び銀貨に戻り、最後は観客におまじないをかけてもらうと、なんと、コインは2枚ともチャイニーズコインに変化してしまいます!
特集:トークレクチャー †
- 演出のプランと現象の解釈について
この号で収録されている技法・用語 †
Bruno Henning、Brother John Hamman、Steve Freeman、Thomas H. Bearden
マーキュリーカード・フォールド