mML第126号

【修得の難易度】★☆〜★★☆神出鬼没!ゆうき流にアレンジされた「フライング・クイーン」を学ぶ!

 今月号では、「神出鬼没!ゆうき流にアレンジされた『フライング・クイーン』を学ぶ!」と題しまして、計5手順をご紹介いたします。

 今回テーマとしている「フライング・クイーン」は、元は石田天海氏の代表作とも言われる歴史的名作です。天海氏の強い影響もあり、日本でも演じる方がかつては多く見受けられました。しかしながら、原案からして流動的で捉えどころのない部分もあり、また、不思議に、面白く見せるには相当の実力が要る大変に難しいマジックの一つといえます。そこで今回は、ゆうきとも氏が「フライング・クイーン」を母体にアレンジして実践で使用されている手順を解説していただきました。この手順は前半部のみ、以前他媒体で発表されましたが、フル・ルーティーンを解説の形で公開するのは今回が初となります。天海氏の原案がいわばシンプルな繰り返しの妙であるとするなら、ゆうき氏の手順は意外性にベースをおいた、よりバラエティ感のある手順となっております。比較的演じやすい実践的な手順ですので、ぜひレパートリーに取り入れていただければと思います。

 また、現象的にも原理的にも独自性の高い異色の傑作である「カード・トンネル」も収録しております。カードをデックに直角に通すことで反対側から変化して出てくるという現象。あの「カードワープ」にも似たビジュアルさを持ちながら、用具的な仕掛けが一切不要で、レギュラーデックのみで演じられる作品です。こちらもゆうきとも氏のアイデアで「手順化」されていますので、お楽しみくださいませ。

 そのほか、ギルブレスの原理の活用法に一工夫加えた「ラインナップ」「マッドハッターのカードパーティ」のカードマジック2作品、コインマジックからも「ザ・トラベラーズ」1作品をご紹介しております。

 今回も、「ワークショップ」「実践派のためのクイックマジック」のコーナーもあり、盛りだくさんの楽しい内容でお届けしております。

特集:現象の瞬間が見えるビジュアル変化!

フライング・クイーン(石田天海ゆうきとも
3枚の数札と1枚のクイーンを使って、観客にクイーンの場所を追っ てもらいます。クイーンと、別の1枚をテーブルに伏せて場所を入れ 替えますが、意外にもクイーンは消えて、手元から現れます。クイーンだけを裏向きにしますが、なぜか表向きの1 枚と入れ替わっています。1枚減らして行いますが、3枚ともクイーンに見えたかと思うと、 全て数札に変わり、クイーンは予想外の場所から現れます。最後はクイーンをデックに戻しますが、手元の2枚の間に飛び移ってきます!
ラインナップ(Nick Trost
一組のデックを半分に分け、表と裏にしてリフルシャッフルで混ぜ 合わせて、そこから10枚ずつの山を2つ配り分けます。観客が選んだ山の裏表の配列パターンを、マジシャンは、もう一方の山を背後に隠して操作し、完全に一致させてみせます!
マッドハッターのカードパーティ(John Ging)
20枚のカードの裏表を混ぜ、さらに観客の手でシャッフルしてもら います。このランダムな状態で10 枚ずつの2つの山に配り分け、片 方をマジシャンがさらに目の前でぐちゃぐちゃに混ぜてしまいますが、 確認すると、2つの山の裏表の並び順は、完全に同じになっています!
カード・トンネル(Ken Krenzel/Howard Schwarzman/ゆうきとも
2人の観客にカードを選んで覚えてもらいデックに戻します。2枚 のクイーンを示し、1枚をデックに軽く差し込んでスライドさせると、 最初の観客のカードに変化しています!2枚目は変化する過程を見せ ると言って、裏向きのクイーンを横向きのデックに押し通すと、なんと、 反対側からは、表向きの観客のカードに変化して現れるのです!

特集:やさしくできる逆転コインズ・アクロス!

ザ・トラベラーズ(Ross Bertram/Louis Tannen)
左手に握った4枚のコインが、1枚、また1枚と右手に飛び移ってきます。残る1枚はまとめて移動させると言いますが、右手に移るかと思いきや、開いてみると、なぜか空っぽ。4枚のコインは、なんと左手から現れます!

特集:ワークショップ

デックの中から出現するカード(mML第6号より)

特集:実践派のためのクイックマジック

カードの魂

この号で収録されている技法・用語

石田天海Nick Trost、John Ging、Ken Krenzel、Howard Schwarzman、Ross Bertram、Louis Tannen


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