mML第136号 †【修得の難易度】★☆〜★★小粋な即興トリック「エイト・ミステリー」と圧巻の一大絵巻「カード魔方陣の謎」! †今月号では、「小粋な即興トリック『エイト・ミステリー』と圧巻の一大絵巻『カード魔方陣の謎』!」と題しまして、計4手順をご紹介いたします。 「カード魔方陣の謎」は、トランプで魔方陣を作ることをテーマに構築された驚異的なルーティーンです。まず観客が目にするのは、いわば「ブレイン・スタント」とでも言うべきパフォーマンス。観客がカットした場所から配った16枚のカードを使ってその場で魔方陣を構成してみせる、という圧巻のライブ・デモンストレーションです。ですが、話はそこに留まりません。魔方陣の軸となる「現れた合計数」にも意味が見いだされ、さらにはちょっとした瑕疵が見つかったかと思いきや、それもが結末への伏線であったことが判明します。そこまでやるか!と感嘆する構成の見事さ。しかも演者は計算不要、全く難しくないという大傑作です。 「エイト・ミステリー」は、小品ながら、こちらも見事な作品です。インポシブル・ロケーション系のパズリックな不可能設定と、演技を盛り立てる現象展開の意外性、その両者が同居するトリックというのは比較的珍しいのではないかと思います。数理トリックが孕みがちな問題点をたった一つの演出によって雲散霧消させ、手順としてのまとまりを作り出している点が光ります。準備不要、ノーセット。即興でいつでもどこでも手軽に演じられます。なお、ここまでの2作品はともに研究家・石田隆信氏の手によるもので、紹介を許可いただきましたことに感謝いたします。 今回は他にも「アンホーリー・ツー」「UFOコイン」と傑作が目白押しです。特に前者はショーのトリネタ足りうるスケールの作品で、虚を突かれる予想外の結末もさることながら、観客が選んだカードを、何の手がかりもないはずの「別のデック」で探し出す、というそもそもの設定の作り方自体がユニークです。そしてそれを解決するための手法が、方法論として合理的・必然的にクライマックスに結びついています。 さらに「実践派のためのクイックマジック」で取り上げた「シャッフリング・サンドイッチ」も、ぜひお見逃しなく! 特集:石田隆信氏の数理的ミラクル! †
特集:こっちで選ぶとそっちで当たる!? †
特集:ワークショップ †
特集:実践派のためのクイックマジック †
この号で収録されている技法・用語 †石田隆信、Darwin Ortiz、高木重朗、赤沼敏夫、バーノン・トランスファー |