mML第149号

【修得の難易度】★☆〜★★「ビドルムーブをスマートに活用した パケット・トリックとカードアクロスを学ぶ!」

 今月号では、「ビドルムーブをスマートに活用したパケット・トリックとカードアクロスを学ぶ!」と題しまして、計5手順をご紹介いたします。

 カードマジックの基本技法の中で、特に応用範囲が広く利用価値の高い「ビドルムーブ」に、今回はスポットを当てます。まさに万能ともいえる効能を持つ魔法のような技法がビドルムーブです。 紹介している作品を通して、ビドルムーブ1つで、多彩な効果を表現できることを学んでいただければ幸いです。

 「ミニホフ」は、ビドルムーブを手順の序盤でたった1度使用するだけで、結果的にカード当て・リバース・トランスポジションと、意外性のある複合的な連続効果を作り出しています。 「シンプリファイド・ファイナルタッチ」は、ビドルムーブの利点をストレートに活かしたサッカートリックですが、こちらもたった1度のビドルムーブで現象を成立させており、ビドルムーブの万能さをあらためて理解できる教材です。 また、「テンカード・オイル&ウォーター」は、ビドルムーブでカードの順番をアレンジする手法を利用し、オイル&ウォーターのプロットに応用させた作品。 さらに、「イージー・カードアクロス2」は、ビドルムーブを用いることでカードの枚数の増減を表現しています。こちらは、あらための動作や現象を提示する動作の中で次の準備が完了している、合理的で巧みな手順構成が絶妙です。 そして最後に、現在のゆうきともによる「ビドルトリック」のハンドリングを公開しています。 mML6号でも同トリックのテーマを扱いましたが、それから年月を経て、より観客とのやりとりを楽しめるように演技・手順を進化させている点が注目です。

 「ゆうきとものオススメマジック」のコーナーでも、今号のテーマ(ビドルムーブ)に因んで、ゆうきともお気に入りのトリック「バニシング・フォー」を紹介しています。 こちらは、弊社で販売している、カードミラクルズ第3集で解説されておりますので、お気に召した方は是非こちらも参考にしていただければと思います。

 また、「実践派のためのクイックマジック」のコーナーでは、ゆうきとも氏と親交の深い横田雄一氏が、即席のツーコイン・トランスポジションを解説しています。 コインが2枚あれば、いつでもどこでも行なえる実践的なトリックをお楽しみください。

特集:即席即効のパケット・トリック!

ミニホフ(今西章/ゆうきとも
4枚のエースに、裏向きのジョーカーでオマジナイをかけると、観客の選んだエースがひっくり返ります。 さらに、このカードとジョーカーが入れ替わってしまうのです!
テンカード・オイル&ウォーター(ゆうきとも
赤と黒のカードを5枚ずつ取り出し、交互に混ぜます。 しがし、時間が経つと不思議なことに赤と黒が分離してしまいます。 マジシャンは、分かりやすいように黒と赤の枚数を1枚ずつ減らして同じことをやりますが、やはり分離します。 さらに枚数を減らしますが…!
シンプリファイド・ファイナルタッチ(Larry Jennings/ゆうきとも
マジシャンは8枚のカードを取り出し、観客に1枚を引いて覚えてもらいます。 マジシャンは、カードを徐々に絞り込んでいきますが、残念ながら、その中に観客のカードはありません。 その事を知らずにさらに、カードを1枚まで絞りこんでいきますが…観客のカードをズバリ当ててしまうのです!

特集:見えないカードの大移動!

イージー・カードアクロス2(ゆうきとも
10枚ずつの山を2つ作ります。 おまじないをかけると、一方の山から他方の山へとカードが1枚飛行してしまいます! マジシャンはもう一度、イメージで1枚のカードを一方から抜き取るそぶりをします。 そしてもう一方の山に間違いなく移動させてしまうのです!
メンタリズム・ビドルトリック(Elmer Biddle/ゆうきとも
マジシャンは観客のカードを当てるために、観客の心を読みながら数枚のカードに絞り込みます。 観客のカードが含まれた数枚の山を観客の両手で挟んでもらいます。 マジシャンがオマジナイをかけるとその中から選ばれたカードは消え失せ、なんと、消えたカードはデックの中央から表向きで現れるのです!

特集:関連作品紹介

バニシング・フォー

特集:実践派のためのクイックマジック

YYトランスポ

この号で収録されている技法・用語

今西章、Larry Jennings、Elmer Biddle


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