mML第133号

【修得の難易度】★☆〜★★ストーリーが現象を際立たせる魅惑の傑作『ホテルミステリー』を学ぶ!

 今月号では、「ストーリーが現象を際立たせる魅惑の傑作『ホテルミステリー』を学ぶ!」と題しまして、計5手順をご紹介いたします。

 「ホテルミステリー」は、カードマジックの歴史の中で幾度となく流行を繰り返してきたと言われる、伝説に彩られた作品です。2枚のエースを2人の女性、4枚のキングを4人の男性に見立てて、とあるホテルを舞台にストーリー仕立てで進行する演技は、観客の興味を引きつけるに十分です。今回は「ホテル・エピソード」と題して、ゆうきとも氏が最近使用しているハンドリングを解説していただきました。卓上に置いた2つのパケットの間である種の「配置転換」が起こり、それぞれの枚数まで変化してしまう「オフバランス」な交換・移動現象を、物語を加えることで分かりやすく面白く表現しています。エンターテイメント性を高めるだけでなく、マジックの現象自体を観客にうまく伝える手段としての演出という側面を、ぜひ学んでください。

 またカードマジックでは、そのほかに、カードの表に間違って裏模様を印刷してしまうというちょっとコミカルな展開のパケットトリック「ロイヤル・カムアウト」、選ばれたカード自体の「数字」が手がかりとなって観客のカードが見つけ出される「EZバリューズ」、驚異的な記憶力を使って観客のカードを探し当てる「メモリーテスト」の3作も解説。さらに、ESPカードを使った巧妙な2段現象の手順「ESPディライト」も紹介しています。

 また、「実践派のためのクイックマジック」では、名作「ジェミニ・ツインズ」を掘り下げていただきました。より効果を高める工夫を加え、見せ方のコツなども含めて紹介しております。原案をご存知の方も、再確認の意味を含めてご覧いただければ、きっと得られるものがあるかと思います。

特集:摩訶不思議なホテルの謎!

ホテル・エピソード(ゆうきとも
ホテルで起こった出来事として、マジシャンは女性が1 人ずつ入った部屋の中に男性が2名ずつ押しかけたと説明しながら、それぞれの女性役のカードの上に、男性役のカードを2枚ずつ置きます。 ところが、実際に確認してみると、なんと一方の山に女性役のカードが揃っており、もう一方に男性役のカードが集まってしまっているのです!
ロイヤル・カムアウト([[片倉雄一]/赤沼敏夫)
マジシャンは表が真っ白のトランプ一組を取り出し、そのうちの5枚を取り出しておまじないをかけます。 すると、真っ白な面に裏模様が現れます。 両面とも裏になったカードにもう一度おまじないをかけます。 すると表の面が真っ白に戻り、さらには表が現れてその5枚でロイヤルフラッシュが完成します! さらに残りのデックにおまじないをかけると、こちらもすべてのカードに表が出現します!
EZバリューズ(Joseph Barry/ゆうきとも
デックからカードを適当に配っていき、ストップがかかった場所の2枚を、2人の観客にそれぞれ覚えてもらいます。 その2枚をデックに戻して混ぜた後、選んだカードの数を観客に聞いて、それぞれその枚数だけ配ると、見事に選ばれた2枚のカードが枚数目から現れます!
メモリーテスト(ゆうきとも
観客に混ぜてもらったデックから1枚のカードを覚えてもらいます。 それをデックの中に混ぜた上で、マジシャンは、デックの表をザッと見渡し、すべてのカードの位置を覚えます。 実際に観客に覚えたカードを言ってもらうと、マジシャンは即座にその枚数目を言い当ててみせます。

特集:一度ならず二度までも!

ESPディライト(ゆうきとも
マジシャンと観客が5種類のマークのセットをそれぞれ混ぜた後、観客に手元の5枚の中から1枚選んでもらいます。 マジシャンは、観客の心を読んで自分の山から1枚抜き出すと、観客の選んだマークと一致しています。 さらに残り4枚から自由に1枚を選んでもらいますが、やはりそのマークもズバリ当ててしまいます。

特集:ワークショップ

カッティング・ジ・エーセス(mML第11号より)

特集:実践派のためのクイックマジック

ジェミニ・ツインズ

この号で収録されている技法・用語

片倉雄一、赤沼敏夫、Joseph Barry、デイリーズ・ディライトを使ったパケットスイッチ


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