mML第127号 †
【修得の難易度】★★「ビトウィーン・ユア・パームズ」で、時空を超えた究極の不可能設定に挑戦する!
今月号では、「『ビトウィーン・ユア・パームズ』で時空を超えた究極の不可能設定に挑戦する!」と題しまして、計4手順をご紹介いたします。
「ビトウィーン・ユア・パームズ」は、天才アレックス・エルムズレイが生み出した驚くべき作品の1つで、観客のサインカードが「最もありえない場所」から現れます。なんと、観客がサインを する前から、あらかじめ隔絶されて置かれていたカードが、見るとサインカードになっている、というものです。カードが時間を遡らないと不可能と思われるような奇抜な設定は、多くのマジシャン の心を捉えてきました。様々な制約もあり難しい作品を今回、ゆうきとも氏が工夫を凝らし、多くのマジシャンのアイデアをも結集して、比較的演じやすく、それでいて効果的な手順に仕上げられま した。手順の隅々にまで張り巡らされたサトルティの数々に、ぜひ感嘆してください。
そのほか、カードマジックでは、とぼけた持ち味が最後まで貫かれた異色作「スリーカード・トリック」、12枚の絵札だけを使い、パケット内でカードの配列がガラリと入れ替わる「ロイヤル・ ファミリーズ」の2作も、併せて収録しております。
また、今回はもう1つ特別な手順として、ダイ・バーノンのペットトリックであった「バーノン・ダイスルーティーン」を、原案に比較的近い形でご紹介しております。観客の予想をことごとく裏 切る意外性と、ウィットに富んだセリフ回しが印象的な、まさに手順構成のお手本とも言うべき作品です。br> 短いながらも起伏に溢れた本格的な手順であり、ぜひご研究いただきたい名作の1つです。br> お楽しみくださいませ。
おなじみとなりました2つのコーナー企画もございます。有益なアドバイス満載の「ワークショップ」で演技をより良くし、「実践派のためのクイックマジック」コーナーで実用的なレパートリー を手に入れてください。
特集:サインカードが、サインする前から!? †
- ビトウィーン・ユア・パームズ(Alex Elmsley/John Mendoza/ゆうきとも)
- マジシャンは、1枚のカードと予言の紙を、見える場所に出しておきます。
3人の観客が1枚ずつカードを選び、3番目の観客には、カードの表にサインをしてもらいます。
3枚をデックに戻して混ぜた後、マジシャンは、まず2人のカードを1枚ずつ、デックをカットして取り出していきます。
ここで予言の紙を見ると、3人のカードが、全て予言されています!
最後に、あらかじめ置かれていたカードを示すと、それがなんと、第3の観客がサインしたカードになっているのです!
- スリーカード・トリック(Edward Victor/David Williamson/Dan Garrett/ゆうきとも)
- 「スリーカード・トリック」というタイトルのマジックを行うと言って適当な3枚のカードを抜き出します。
ところが数え直してみると、なぜか4枚あります。
1枚捨てても、数えると4枚…これが、何度も繰り返されます。
最終的に「タイトルの意味を勘違いしていた」と言って4枚を表向きにすると、4枚の3のカードになっているのです!
- ロイヤル・ファミリーズ(Peter Kane/ゆうきとも)
- 絵札12 枚を抜き出し、ジャック4 枚、クイーン4 枚、キング4 枚の順に重ねます。
揃えて裏向きにして、おまじないをかけます。
そして上から3 枚ずつ示していくと、なんと、カードの配列が入れ替わり、各マークごとにジャック・クイーン・キングが揃って現れるのです!
特集:ウィットに富んだ巨匠の名手順! †
- バーノン・ダイスルーティーン(Dai Vernon/ゆうきとも)
- 1個のダイスが、手から振り出すと、2個、3個と増えていきます。
1個をポケットにしまいますが、なぜか手の中に戻ってきます。
これを繰り返した後、さらにもう一度行うと、今度は、3個目が意外にも小さなダイスとなって現れます。
2個の大きなダイスと1個の小さなダイスを握ると、最後は小・大・特大の3サイズに変化してしまいます!
特集:ワークショップ †
- マイザーズ・ミラクル(mML第104号より)
特集:実践派のためのクイックマジック †
- 合計数の予言
この号で収録されている技法・用語 †
Alex Elmsley、John Mendoza、Edward Victor、David Williamson、Dan Garrett、Peter Kane、Dai Vernon