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【ギミックレス！】アンバウンド（Unbound: Gimmickless Invisible Deck by Darryl Davis）DVD～インビジブルデックがレギュラーで！？～

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ノーセットのレギュラーデックが、インビジブルデックに！？

話題の手順、借りたデックでも行えるメンタルリバース効果！

これは今、各所で話題の手順です。
レギュラーデックでインビジブルデックができる、という触れ込み。
タイトルからして、副題に「ギミックレス・インビジブルデック」と謳っています。

実際には、現象自体がちょっと違うので、この言い方に個人的には「異議あり！」という感じですが（詳しくは後ほど）、
アレックス・エルムズレイの作品をベースにしているだけあって、マジックとしては一級品。
大変素晴らしいものですので、紹介させていただくことにいたしました。

観客にデックを広げて表を見せ、１枚のカードを心に思ってもらいます。
その後、観客にカードの名前を尋ねた直後に、そのままデックの表を観客に向けて広げていくと、
たった１枚のカードだけが、裏向きで現れます。
そのカードを公明正大に抜き出して、表向きにすると、観客が先ほど心に思ったカードです。

まず、先ほど述べた「個人的な異議」の話を最初に片付けておきますが…
本来の「インビジブルデック」は（先刻ご承知の方が多いでしょうが）、通例、意味合いとしては
「予言」であるとされていますが、今回の手順は、予言ではなく「リバース現象」となっています。
現象面で明らかに異なっているので、厳密な意味では「インビジブルデック」ではない、と考えます。

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ですが、単純なリバース現象ではなく「シンク＆リバース」、観客が思っただけのカードがひっくり返る、という
「メンタル性」を帯びた現象ですので、その辺りの「気持ち悪さ」はインビジブルデックと通底するものといえます。
（個人的にはこれを「メンタルリバース現象」と呼んでいますが、「メンタルリバース」の用語を使うのは別の意味で
異議のある方も、いらっしゃるかも知れませんね…）

観客は、広げたデックの中から、１枚のカードを心の中で決めるだけで、指差したり、引いたりは一切していません。
もちろん口に出してもいなければ、何かに書かせたり、誰かに教えたりもしていません。
フォースも不可能に思えます。
ですから、その段階では、心が読めない限り、観客のカードが何であるか、マジシャンにはわからないはずです。

観客がそのカードの名を初めて告げるのは、現象が起こる直前。
マジシャンは、既にデックを構えていて、あとは広げるだけ、という段階です。
それで、たった今、観客が口にしたばかりのカードが、ちゃんとリバースされて現れるのです。
効果としては、強烈極まりないものです。

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「ギミックレス」に嘘はありません。
ノーギミック、完全レギュラーで、普通のデック１組だけでできます。
余分なものは何も要りません。
単にレギュラーというだけでなく、ノーセット。
すなわち、観客がシャッフルしたデックで演じることができますし、借りたデックで行うこともできます。

「インビジブルデックをレギュラーで」というと、マイケル・クロースの作品を想起する方もいらっしゃるでしょうが、
それとは異なります。
あれは、セットが…しかも、相応の準備が必要ですよね？
もちろん傑作であり悪いものではまったくありませんが、到底、即興で演じられるシロモノではありません。
今回のものは、その「即興性」が１つの売りであり、実践的で実用的な部分でもあります。

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基本原理は、前述したようにアレックス・エルムズレイのもの。
エルムズレイ本人の原案手順自体が、そもそも傑作です。
そして直接的には、そのバリエーションであるアラン・アッカーマンの作品を基にしているとのこと。
映像では、ボーナスとしてアッカーマンの手順の解説とインタビューなども収録されています。

なお、本来の「インビジブルデック」の特徴的な点や魅力の１つは、マジックの名称自体にすら反映された
「見えないデックがあって…」という演出の部分にもあるかと思いますが…
アラン・アッカーマンの見せ方が、ちょっと話をそちらのほうに寄せた演出を採っています。
この辺りも、興味深い点です。

ＤＶＤは、優に１時間以上、２時間近い収録時間で、バリエーションなども含め、実に詳しく解説されています。
ただし、基本となる手順に関しては、冒頭の数十分ほどで終わります。
細部のニュアンスまで完全に知りたい方は、ある程度英語が分かる必要があるかと思いますが、
実用的な意味では、映像で十分理解可能な範囲の内容かと思います。

なお、上記の現象を一通り演じ終えた段階で終わると、デック内にトリックの痕跡が残っていて、
クリーンに終了するためには処理が必要になります。
素晴らしい点の１つが、この問題を解消するためのフォローアップ手順が組まれていること。
すなわち、別現象のマジックを続けて演じることで、クリーンに終われる方法が解説されているのです。
この連続手順はエコロジカルでスムーズ、無理なく流麗に不思議現象が起こせて、とても頭脳的です。

カードマジックがお好きな方には、ぜひご研究いただきたいＤＶＤです。
ぜひ、この手順で観客をノックアウトしてください。
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